「春にして君を離れ」は、イギリスの小説家、アガサ・クリスティーの長編小説です。今回は、「春にして君を離れ」のあらすじや感想を紹介します。また、同じ作家の他の作品についても紹介します。
「春にして君を離れ」のあらすじ
優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる…女の愛の迷いを冷たく見据え、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。
「春にして君を離れ」あらすじより引用
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「春にして君を離れ」は深い〇〇をしたい方におすすめ!
「春にして君を離れ」は、こんな方におすすめです!
- 主人公と一緒に、深い思考の世界を味わいたい方
- 家族や家庭がテーマの小説を読みたい方
- 心や思考の動きがリアルに描写された小説が好きな方
「春にして君を離れ」の登場人物
「春にして君を離れ」の主人公と家族
主人公 ジョーン・スカダモア・・・地方弁護士の夫を持つ主婦で、一男一女の母
ロドニー・・・ジョーンの夫
トニー・・・ジョーンの初子、長男
エイヴラル・・・ジョーンの長女
バーバラ・・・ジョーンの末っ子、次女
家族以外の登場人物
ブランチ・ハガード・・・ジョーンの女学院時代の同級生
レスリー・シャーストン・・・ジョーンの友人
チャールズ・・・レスリーの夫
マーナ・ランドルフ・・・ロドニーのテニス仲間
ホーエンバッハ・サルム・・・公爵夫人
「春にして君を離れ」のストーリーと感想(ネタバレあり)
ストーリー(ネタバレあり)
主人公のジョーン・スカダモアは、夫と愛し合い、3人の子どもをしっかり育て上げた良妻賢母の自負があります。忙しい日々を駆け抜けてきた自分の人生に達成感や満足感を感じていました。
バグダッドに住む娘の病気見舞いを終えてイギリスへ帰る途中、立ち往生にあいます。これまでの忙しく充実した日々から一転、ジョーンは長い待ち時間に暇を持て余してしまいます。
時間があると、考えごとが多くなる。ジョーンは、道中に再開した女学生時代の友人ブランチ・ハガードの言葉を思い出したり、過去の出来事を振り返る中で、自分が真実と思っていたことが本当は違うのではないか。完璧だと思っていた夫婦仲や子どもとの関係も、実際には問題を抱えているのではないか。多くの疑問や疑念が沸いてきます。
感想(ネタバレあり)
自分が正しいと信じている道を突き進んできたジョーンが、過去をじっくり振り返ったり、これまで持ち合わせていなかった視点で物事を見始める姿の描写がリアルで、小説の世界に没入しました。
現実や事実と、向き合うのか、向き合わないのか。向き合うとしたら、どのように向き合うのか。起きた出来事について、どう捉えるのかは人によって全く違うことを改めて実感しました。
幸せを感じ方は人それぞれで、自分が幸せだと思っているからと言って、周りも同じように感じてくれているとは限らない。でも、だからこそ、お互いが歩み寄って築く関係は尊い。同じことに感動したり喜べた時に嬉しい。そんなことを思い出させてくれる小説でした。
「春にして君を離れ」は推理小説ではない?
アガサ・クリスティーの本は、今回初めて読みました。アガサ・クリスティーのイメージは、事件を解決する推理小説のイメージを持っていたのですが、この作品は事件が起こり、犯人を特定するというストーリーではありません。
アガサ・クリスティーの小説5選
本記事でご紹介した小説です。
アガサ・クリスティーの有名な作品の一つです。長編推理小説が読みたい方にもおすすめです。2017年に、仲間由紀恵さん主演でドラマ化もされています。
アガサ・クリスティーの代表作の一つとして挙げられることも多い作品です。列車を舞台にした推理小説が読みたい方にもおすすめです。
アクロイド殺しは、アガサ・クリスティーの代表シリーズである「名探偵ポワロシリーズ」の作品です。
「名探偵ポワロシリーズ」の作品です。名探偵ポワロが、船上での事件解決に挑みます。